旅拝

過去の旅の記録です。

西蔵編(5)夏河

 夏河( Xiahe )(チベット名:サンチュ)の街は、中国の甘粛(かんしゅく)省甘南(かんなん)チベット族自治州に位置する(厳密に言うとチベット自治区ではない)。
 蘭州( Lanzhou )の街は回族が多くイスラムの雰囲気を感じたが、この街は人口8万人のうちチベタン(チベット人)が8割を占める為、チベットの文化を色濃く感じる。
 多くの旅人が「ここはいいところだ」と言っていたが、人も素朴でとても好きな街だ。

 また、夏河はチベットの中ではアムド地方と呼ばれる地域にあたる。ダライ・ラマ14世もアムド出身だ。

 ここは標高2900mの高地にあり、到着してしばらくの間は軽い頭痛と息切れがした。高山病の症状と思われる。
 ちなみに成都( Chengdu )の標高は500m、蘭州は1510mだ。
 標高が高いせいか、光が眩しいと旅日記に書いてある。晴天時に雲が無いと直射日光が肌に刺さる感覚があった。紫外線が強すぎるのかもしれない。

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(ラプラン寺)

 夏河にはゲルク派(黄帽派)六大寺院の一つラプラン(・タシーキル)寺(拉卜楞寺)( Labrang Monastery )がある。

ゲルク派とは、チベット仏教の主要な四大宗派の一つ(他は、ニンマ派カギュ派サキャ派)。15世紀にツォンカパ(ジェ・リンポチェ)(1357~1419)によって開かれた学派で、戒律を重視している。戒律を守っていることを示す黄色い帽子を被っていた為、黄帽派と云われた。17世紀にチベット最大勢力となり、ダライ・ラマパンチェン・ラマもこの学派に属する。

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(夏河の街)

 ラプラン寺は、1710年に活仏であるジャムヤン・シェパ1世(1648~1721)によって創建された。
 総面積86万㎡という巨大な敷地内には、数多くの仏殿、僧坊などが立ち並んでいる。
 ここには、6つの学堂があり、ゲルク派ゴンパ(寺院)の中で最高レベルの教育を受けられるそうだ。

※6つの学堂:聞思学院(顕教)、上族部学院・下族部学院(密教)、金剛学院・時論学院(天文・地理・数学)、医薬学院(チベット医学)

 ラプラン寺では、見学ツアーを開催していた。他の多くの観光客に混ざり、ガイドの僧侶に寺院内を案内してもらった。
 当日は、何かのお祭りの日だったらしく、管楽器(しょう)(中国名ション( Sheng ))の演奏も聴くことが出来た。

 チョルテン(仏塔、卒塔婆ストゥーパ)があちこちに見受けられたが、これには、地震・邪悪なものから守るという意味があるそうだ。

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(チョルテン)

 また、チベタン(チベット人)仏教徒でありながら肉食するのは、苛酷な環境で生き抜くためには仕方のないこととのこと。

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(ラプラン寺見学ツアー)

 ツアーの最後に、ガイド(上の写真右下にいる僧(モンク))に「仏教の輪廻転生の考えに、よりよい人生に生まれ変わるというものがあるが、よりよい人生とは何か?」と質問したところ、ラッキーなことという答えが返った。
 具体的にラッキーなこととは、人として生まれ、モンク(修道僧)として仏道を全う出来ることだそうだ。

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(マニコル(マニ車)を回す村人)

 中国都市部の喧騒に疲れていた自分にとって、夏河はとても静かで正直もっと長居したかった街だ。

 滞在3日目、この日は同じ宿のフランス人旅行者達に誘われ、郊外の寺院巡りをする予定だったが、天候が崩れてしまった(標高が高い為、天候が崩れると急激に温度が下がり、雨に濡れると体調を崩すリスクがある)。
 天気予報によると、このあと数日間は天候が回復しないと予想された為、予定を切り上げて先に進むことにした。
 次の目的地は、西寧( Xining )近郊にある、ゲルク派六大寺院の一つクンブム(タール寺)だ。



※地図





(旅した時期:2004年)

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