旅拝

過去の旅の記録です。

四国巡礼編(6)発心の道場(5)恩山寺(18番札所)~立江寺(19番札所)

 【発心(ほっしん)の道場(徳島県)】



 [第18番札所:母養山(ぼようざん) 宝樹院 恩山寺(おんざんじ)]

・御本尊:薬師如来
・創建年:不詳(天平年間末?)
・開基:(寺伝)行基聖武天皇(勅願)
・住所:徳島県小松島市



 お遍路5日目。
 この日見た夢の言葉だろうか、「道行く一人一人が仏様」と旅日記に書き記している。

 さて、次の18番札所恩山寺までは20km近く歩かなくてはならない。
 道中、新町温泉という銭湯に立ち寄る為、徳島の市街地を通るルートを選択した。距離的には少し遠回りになるが、温泉に入れるのは有難い。

 「栄タクシー」(善根宿)から歩き出してしばらく歩いた頃、お店の開店準備をしていた女性に声を掛けられた。お店の中に招かれた後、温かい飲み物等をお接待頂いた(感謝)。
 このお店の名前は「ビューティーサロン ガラスの城」という美容室だが、ネットで調べても見つからなかった。お店の名前を変えられたのか、閉業されたのか分からず終(じま)いだ(15年という年月を感じる)。



 栄タクシーでベテラン遍路に教えて頂いた情報によると、新町温泉は歩き遍路に対して温泉利用料をお接待して頂けるとのことだった。
 当時のご主人は三代目で、先代から歩き遍路にお接待を続けているという。
 この日の宿は「寿康康寿庵(じゅこうこうじゅあん)(善根宿)を予定しており、お風呂が無いということなので、ここでお風呂に入れるのは有難かった。

 新町温泉にお昼過ぎに到着。歩き遍路をしているとお伝えしたところ、快くお接待して頂いた(感謝)。
 コインランドリーが併設されている為、入浴中に洗濯をした。



 後年四国旅行をしているが、徳島に行く時は毎回ここ(新町温泉)に立ち寄っている。
 三代目ご主人は引退されたのか息子さんが番台に座られていた。息子さんはシャイな方で、以前お遍路の際にお接待頂いた御礼を伝えると「ああ、そうですか」と毎回あっさりとした対応をされる。
 早朝の夜行バス到着後、レンタカー事務所営業開始前に立ち寄ることもあったし、レンタカー返却後に夜行バス出発までの間に利用することもあった(朝6時から夜22時まで営業されているのが有難い)。



 温泉に入ってスッキリした後、近くの金刀比羅(ことひら)神社に参拝。心機一転再び歩き出した。
 ここから恩山寺までは約11km。先を急ぐあまりペースを上げた(再び汗をかいてしまった)。



 恩山寺直前の遍路道にはお遍路中に亡くなられた方のものと思われる古いお墓があった。
 この後数日間、歩き遍路をされているご住職と道中何度か会っているが、確か初対面がこの恩山寺道中だったと思う。
 この方のお話では夕方の日没前後の時間は、山や森の中は歩かないようにとのこと。目に見えない世界の話になるが、彷徨(さまよ)う霊が憑(つ)いてしまうらしい。



 恩山寺行基が開基とされているが、元々は女人禁制の道場だったらしい。後に弘法大師が女人禁制を解いたとされている。
 山の中にある静かなお寺で雰囲気が良かった。



 [第19番札所:橋池山(きょうちざん) 摩尼院(まにいん) 立江寺(たつえじ)]

・御本尊:延命地蔵菩薩
・創建年:(寺伝)天平19年(747年)
・開基:(寺伝)行基聖武天皇(勅願)
・住所:徳島県小松島市



 18番札所から約4km。歩くペースを上げて何とか17時前に到着出来た。納経所が閉まる前に打ち終えて安堵したが、庭園が美しかったこと以外あまり覚えていない。

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 情けない話だが、この記事を書くにあたり、ネットで調べて寺院の歴史を初めて知った。いろいろ興味深いお寺だと思う。

 立江寺「四国の総関所」(四国八十八ヶ所の根本道場)また「阿波の関所」として知られるらしい。

※関所寺:四国88ヶ所霊場には各県に一ヶ所ずつ「関所寺」が存在し、「お大師様の審判を受け、邪悪なものは先に進めない」とされており、県一番の難所とされている。

阿波国(徳島県):19番札所立江寺
土佐国(高知県):27番札所神峯寺(こうのみねじ)
伊予国(愛媛県):60番札所横峰寺
・讃岐(さぬき)国(香川県):66番札所雲辺寺(うんぺんじ)

 立江寺以外は山寺の為難所というのも分かるが、立江寺が難所とされたのは「黒髪お京肉付鐘の緒伝説」によるものらしい。
 境内に「肉付き鐘の緒の黒髪堂」があるらしいが見逃している(おどろおどろしいので結果的に見なくて良かったかもしれない)。

※黒髪お京肉付鐘の緒伝説:愛人と密通し夫を殺害したお京が、愛人と共に四国巡礼の為立江寺を訪れた際に御本尊を拝もうとしたところ、突然髪が逆立って鐘の緒に巻き上げられた。
 ご住職に罪を白状し懺悔したところ、お京の頭の皮が剥がれたものの一命を取り留めた。
 その後二人は立江寺の近くに庵を設け、生涯その地で地蔵尊を拝んだとされる。



 立江寺から善根宿「寿康康寿庵」までは約4km。日が暮れないうちに辿り着きたかった為、更に急ぎ無事日没前に到着した。

 昨晩「栄タクシー」で会ったお遍路の半分以上がこの日も一緒に泊まることとなった。これもだと思う。
 高知県に入ると札所間の距離が長くなる為、1日に歩く距離が人によって違ってくるのだが、徳島県は札所間の距離が比較的近い為、別れても札所や善根宿で再会するといったケースが多々あった。



 寿康康寿庵は、近くにある法泉寺のご住職の善意で運営されている。
 明日はまた遍路ころがしに挑戦しなければならない。布団も用意されており、ここでゆっくり休養出来るのは有難かった。





(旅した時期:2006年)

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