西蔵編(22)ラサ郊外(その6)ツルプ寺
ツルプ寺(ツルプ・ゴンパ)(楚布寺)( Tsurphu Monastery )を訪問したきっかけは一枚の写真だった。
旅人からカルマパ17世(1985~)の幼少期の頃の写真をもらい、その澄んだ眼差しをした活仏に興味を持ったのだった(後にこの写真は欲しがったチベタン(チベット人)にあげてしまった)。
カルマパ17世は、先代16世の生まれ変わり(転生活仏)として、1992年にツルプ寺で即位し、その後2000年にインドへ亡命している。
※上記写真は、英語版Wkikipediaより
チベット仏教カルマ・カギュ黒帽派の総本山であるツルプ寺は、ラサ(拉薩)の西約60km程に位置するトゥールン・デチェン( Doilungdeqen )(堆龍徳慶)区にあり、バスで3.5時間程かかった。
入場料を支払う際、カルマパ17世の写真を見せると半額の20元(当時のレートで約300円)にしてくれた。
※カルマ・カギュ赤帽派総本山は、ヤンパチェン寺
※カルマ・カギュ派は、12世紀にトゥースム・キェンパ(カルマパ1世)(1110~1193)によって開かれた宗派で、現在チベット仏教カギュ派の主流派となっている。
転生活仏制度(転生ラマ)を創始し、これは後にゲルク派(チベット仏教最大勢力)やその他の宗派にも採り入れられることになった。
※カギュ派はチベット仏教の主要な四大宗派の一つ(他は、ゲルク派、ニンマ派、サキャ派)で、宗教実践を重視し在家密教を主眼としている。
宗祖とされているのはナローパ(?~1040)、ナローパの弟子ティローパ(988~1069)とマルパ(1012~1097)、マルパの弟子ミラレパ(1052~1135)で、ミラレパの弟子ガムポパ(タクポ・ラジェ)(1079~1153)によって大成された。
密教への傾斜が強いカギュ派には様々な分派があるが、宗教詩人ミラレパがカギュ派全体のシンボルとなっている。
また、カギュ派はニンマ派、サキャ派と共に紅帽派・古派と呼ばれている(ゲルク派は黄帽派・新派・改革派と称される)。
かつては千人以上の修行僧がいたそうだが、人気(ひとけ)の無い静かな地で、修行に励む僧侶達が印象に残っている。
(写真は地元の子供達、水汲みの仕事をしていた。)
※地図
(旅した時期:2004年)
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