おまけ(その1)不思議な夢の話(1)
※西蔵編(3)廈門~深圳~香港のおまけ記事
還暦越えの旅人と一緒に行動したのは1週間程だが、自分にとって貴重な体験だった。
彼のすごいところは、まず人間観察の鋭さである。
上海でジャズ・バーに行った時のこと。
彼は演奏を聴きながら周囲のお客達の服装・しぐさ・会話の内容までチェックを入れていて、自分なりに推理していた。彼らがどこから何の為に来ているか。どういう性格か…等々。
道行く人を眺めているだけならば、自分にも出来るかもしれないが、何かをしながら並行してそれを行うのは簡単ではない。普段から意識して訓練していないと出来ないと思う。
そして、彼の活力は半端ではなかった。肉体的には30代位をキープしているのではないだろうか。
毎朝4:30に起床し、すぐに筋トレを始める。その後トイレで用を足し、シャワーを浴びる。それから食事をして読書を始める。この時点で5:30位である。
彼と行動を共にした間、毎朝筋トレ中の熱い吐息が聞こえてきて眠りを妨げられた。そしてトイレからきばる声が聞こえてくる頃にはパッチリ目を覚ましていた。
私が起きると、待ってましたとばかりに話し始めるのだが、一方的に語るのでこちらはエネルギーを吸い取られてぐったりしてしまう。
一緒にいるとずっと話し続けることが出来る人だった。毎晩24:00(彼の就寝時刻)まで話し続けて、翌朝4:30起床の繰り返し。
別れ際に「よく1週間一緒にいられたな」と誉め言葉のようなものを頂いた。みんな逃げ出してしまうそうだ。
彼と出会っていろいろと教わり、自分の意識に変化が現れたのかもしれない。
或いは彼の強力なエネルギーに影響されたのかもしれない。
彼が去り一人でゆっくり眠れるようになってから、奇妙な夢を見た。
夢の内容は荒唐無稽であるが、確かな事実は自分が夢を見た直後に目を覚まし(香港時間 AM 2:00)、インスピレーションを受けた内容を旅日記にメモしたということだけである。
それは自分の家族の夢だった。現在の状況と違う点は、亡くなっている身内が健在であることと、家族の中での役割が違うことである。
例を挙げると、父親が自分の息子になっていた。しかし、彼の性格は変わっていなかった。
そこでパッと目が覚めた。その時得たインスピレーションを慌てて旅日記にメモしたので以下にその内容を記述する。
この夢が何を意味しているかというと、それはパラレルワールド(平行世界・並行宇宙)である。
夢の中の自分は、無数に存在する別宇宙の一つに実在する自分であり、魂のレベルではつながっている。こちらの自分が成長すれば、パラレルワールドの自分も成長するし、逆もまた然(しか)りである。
この内容を方程式で表すと、X(エックス)の8乗とか9乗になる。つまり8次元とか9次元の世界観になる。
というものだった。正しいかどうかなんて、自分に検証出来る訳がない。しかしそういう考え方もユーモアがあって面白いと思う。
宇宙は一つだけではなく、親宇宙・子宇宙・孫宇宙…と無数に存在するという説を唱える人が増えてきているが、いつの日か宇宙の秘密が解明される日が来るのかもしれない。
(参考)胡蝶(こちょう)の夢
中国の戦国時代に荘子(推定B.C.369頃~B.C.286頃) という思想家がいた。宋の国の蒙(現在の河南省)出身で道教の始祖の一人とされている。
或る日うたた寝をしている時に見た夢の中で、彼は蝶の姿になっていて、蝶であることを楽しんだという。しかし目が覚めると自分はやはり人間だった。
普通なら「ああ夢か」で終わりなのだが、彼はこう考えた。
「今の人間の姿が本当の姿で、蝶の姿が夢なのか。或いは蝶の姿が本当で、人間の姿が夢なのか」
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